独占欲は強い方だ。
本当は他の誰にも見せたくない、触らせたくない、何処かへ閉じ込めてしまいたい。
だが、この執着を知ればアレは嫌悪するだろう。いや、恐怖して逃げ出そうとするだろう。本当は誰かに強く必要とされたいくせに。
最も重要なのは、隣にいること。捕まえておくこと。必要以上には束縛しないこと。
あのイキモノは、口先で何を言おうとヒトと交わりヒトと語らうことを愛している。
しかし同時に他人を恐れ、裏切りに怯えている。
裏切られる可能性そのものを、排除しようとしている。
だから今は、伝えるつもりはない。
傍にいて、身体だけ貪りあう存在だと思っていればいい。
いつかと望むこの想いは、誰にも言えない。
どうして彼は自分の隣にいるのだろうか。
考え出すと不安で仕方が無いが、いつでも胸の奥でくすぶっている疑問。
いつか彼すら去っていってしまったら、どうしたらいい?
ぐるぐると回る思考はいつでも嫌な結末にたどり着いてしまうので、途中で停止するよう注意している。己の無駄なほどお利口な頭脳が恨めしい。
考えなくてもわかっている。
いずれ別れの時は来る。
それが何時かはわからないし、今日では無さそうだが明日かもしれない。こんな仕事をしていれば、仲違い以外にも別れの原因は山ほど思いつく。
ああだけど、今だけは。
いつか来るその時までは、隣にいてくれ。
彼にだけは言えない言葉がある。
だからこそ、決して道が交わることはない。
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43:めざせ連続更新中・・・(07/01/07)