40:無題

『ギギナさんと組んでいるのは、結局は彼が好きだから?』

 自分自身ですら、自分が何を求めているかわからないのに。
 他の誰が俺を理解しているというのか。
 わかった振りで誰に何を言われようと信じられない。
 いっそ、感情なんて無ければよかった。

『ギギナくんとガユスくんは、表面上はともかく仲良しなのかね?』

 どうしてあんな厄介な男と組んでいるのか問われる度に、笑ってはぐらかす癖がついた。
 最初は理由を脳裏に思い描いていたものだけど、じきにそうすることも無くなった。
 その内に、自分でもどうしてあの男の隣にいるのかわからなくなってきた。

 嗚呼、周囲から雑音が聞こえる。

 黙っていてくれ。心をかき乱さないでくれ。そっとしておいてくれ。
 無責任に、何も知りもしないで口出しするな。
 惑わされて都合の良い言葉にすがりたくなる己を知っているから、何も聞きたくないんだ。

『傍らに在るだけで良いから、答なんか要らない』

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40:ぐるぐる。ひとまず第一の修羅場が終了。(06/11/29)070522改稿

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